あらすじ
北の「氷」を司る蒼乃家。南の「炎」を司る朱家。
分断された谷で、蒼乃家の次期当主・蒼(あおい)は、触れるものすべてを凍らせる「武器」として育てられた。
誰にも触れられず、心まで凍てついていた彼女が出会ったのは、敵対する一族の娘・朱音(あかね)だった。
朱音もまた、自らの炎に焼かれ、誰にも理解されない孤独を抱えていた。
氷と炎。決して交わってはいけない二人が、日没の数分間――光が混ざり合う「あわいの時間」だけ、本当の自分に戻ることができた。
たとえそれが、一族への反逆であり、自らの「形」を失う道だとしても。
これは、世界に拒絶された二人の少女が、最後にたったひとつの「温もり」を見つけるまでの物語。