あらすじ

洛 藍珠(らく らんじゅ)、十六歳。 後宮に売られた、顔の爛れた醜い下女——。 ……なんて、全部でたらめだけど。 本当は、由緒ある洛家の令嬢だった私。 幼い頃から叔父に薬学を叩き込まれ、気づいたら「化学反応」「薬品の配合」「人体の仕組み」にどっぷりはまっていた。お行儀よくお茶を飲んでいるより、薬を調合しているときの方が、百万倍生きている気がした。 そんな私が考えたのは——特殊な薬品を使って、自分の顔を「爛れているように見せる」こと。 醜い顔の令嬢なんて家の価値を下げるだけだ、と追い出された先は叔父の薬屋。 そして薬の配達中、近道のつもりで迷い込んだ先が、まさかの後宮の裏門で。 気づいたときには、下女として競りにかけられていた。 ——え、待って。話が違う。 白い漆塗りの仮面で顔を隠しながら、こっそり薬草をいじる毎日……のつもりが、後宮では不可解な事件が次々と起こりはじめる。 後宮の妃が突然倒れた。毒か、病か。 消えた翡翠の簪(かんざし)。誰かに見られていると感じる夜。 そして——死んだはずの女官が、まだ生きているという噂。 「お前は、なぜそれがわかる」 低くて冷たい声が、私の背後で響いた。 皇帝陛下の側近——謎めいた男、玉 煌晟(ぎょく こうせい)。 彼は私の仮面を、ゆっくりと指でなぞって言う。 「その仮面の下に、何を隠している」 早く家に帰りたいだけなのに。 どうして後宮の謎は、全部私を向いているの。 そして、どうしてこの人は——私の嘘に、気づいているような顔をするの。

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小説を読もう2026/05/08
  • 現在の作品仮面の醜女は後宮で謎を解く ~私の爛れた顔は偽物ですが、毒の見分け方は本物です~