あらすじ

長野県の私立高校、霧ヶ峰暁星学園に通う四之宮竜胆は、名家・四之宮家の養子でありながら、魔力を持たない出来損ないとして扱われていた。学校では近寄りがたい不良のように噂され、家では役に立たない異物として見られる。だが竜胆には、誰にも言えない本当の目的があった。母シャーリーと妹エリムを奪った四之宮光悦への復讐。そのためだけに、彼は四之宮家の中で息を潜めている。 そんな竜胆の前に、銀髪の転校生アルシャ・エル・シャルファが現れる。彼女はただの生徒ではない。異能組織アナグマから派遣された監視者であり、竜胆が危険対象であるかを見極めるために送り込まれた少女だった。 同じ頃、学園では奇妙な事件が起き始める。赤ずきん、狼、シンデレラ、ラプンツェル。人の願望や痛みが童話の役割に呑まれ、現実を歪める病――童話病。被害者は物語の登場人物に押し込められ、結末へ向かって壊れていく。 竜胆は黒い断章ナイフ《ページブレイカー》で、その役割の糸を切る。だが彼自身もまた、聖女ジャンヌの焼け残った心臓《獅子の心臓》を埋め込まれた器だった。死んでも蘇る身体。削れていく記憶。聖女として完成させようとする四之宮家。魔王候補として見つめる悪魔たち。 復讐者、聖女の器、魔王候補。誰もが竜胆に役割を押しつける。けれど彼は、そのどれにもならない。 これは、物語に人生を奪われた少年が、他人の決めた結末を切り捨て、自分の名前で生き残るための物語。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/05/08
  • 現在の作品魔王のパルテノ 〜聖女の心臓を埋め込まれた俺は、勇者にも魔王にもならず復讐だけを選ぶ〜