あらすじ
山本葵には、入学した頃から気になっているクラスメイトがいた。
透き通るような白い肌。
黒曜石みたいな瞳。
そして、人の心を静かに見透かしてくるような、不思議な話し方をする少女――黒崎かなで。
「人は、自分で選んだと思うと安心するの」
放課後、かなでは心理学や言葉の誘導について語り始める。
最初はただの雑談だった。
けれど気付けば、
葵は会話の流れに乗せられ、
考えを読まれ、
時には自分でも気付かなかった本音を言わされてしまう。
催眠。
心理誘導。
言葉遊び。
観察。
これは、人を操る物語ではない。
少女達が放課後の教室で、
言葉と心理を通して少しずつ距離を縮めていく、
静かな会話劇。
『言葉の箱庭』
その箱庭の中で、
今日も彼女は静かに誘導する。