あらすじ
※1話完結。
天正三年、三河・長篠城。
武田勝頼の大軍に囲まれた小城では、兵糧が尽き、城兵たちの心も折れかけていた。
城を救うには、岡崎の徳川家康へ援軍を求めるほかない。
だが、城の外は武田の陣で埋め尽くされ、使者に立つことは、死に向かって走るに等しかった。
その役目を引き受けたのは、奥平家に仕える足軽・鳥居強右衛門。
闇夜に川を越え、敵陣を抜け、援軍の報を得た強右衛門は、なおも長篠城へ戻ろうとする。
城内で待つ者たちに、「援軍は来る」と告げるために。
命を助ける嘘か。
城を生かす真実か。
長篠の戦いの陰に刻まれた、一人の足軽の声と、名もなき者たちの籠城を描く戦国短編。