あらすじ

文政十年、秋。 富山の薬売りたちは、禁制の堕胎薬を密売する香具師どもに押され、各地で売り上げを落としていた。 村々には香具師の置き薬が勝手に据えられ、その中には血のように赤い小瓶が必ず紛れ込んでいた。 夜ごと、女たちはその蓋を震える手で開けた。 そんな折、ひとりの痩せた絵師が薬売りの宿に現れる。 深い窪みの目を蝋燭の炎に向け、彼は静かに告げた。 「今年より三五年のあいだ、名もなき病が流行るであろう」 その言葉は、薬売りたちの口を通じて瞬く間に村々へ広がり、 人々は恐怖に震えた。 絵師は続けて言う――

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カクヨム
カクヨム2026/05/07
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