あらすじ

高校生活なんて、きっとこのまま何となく過ぎていくのだと思っていた。 親友は恋をして、もう私と一緒に帰らなくなった。 部活は人数不足で廃部寸前。 そして、部室でだらだら過ごして、家に帰ったらゲームをするだけだった私も、新しい部員を探す羽目になる。 そんな放課後の帰り道で、私は彼女と出会った。 彼女はいつも薔薇の塀の下に座り、鞄を抱えて、遠くの川を眺めている。 静かで、礼儀正しくて、話しやすい。 けれどどこか、自分自身をどこかに隠しているような女の子だった。 最初はただ、人数合わせのために彼女を部活へ誘うつもりだった。 けれど彼女は、私が何気なく口にした言葉を覚えていてくれる。 私の好きなものに、真剣に近づこうとしてくれる。 何でもなかったはずの黄昏も、小道も、雨上がりの空も、私が今まで気づかなかった景色に変えていく。 そして私は、少しずつ気づいていく。 薔薇の下に座るあの子は、ただ一人でいるのが好きなだけではないのかもしれない。 これは、偶然の出会いから始まった私と彼女が、ゆっくりと互いに近づいていく物語。

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カクヨム
カクヨム2026/05/07
  • 現在の作品薔薇の下の依花さん