あらすじ
“別れ”を恐れる少年と、
“限られた時間”を隠し続ける少女。
これは、春に抗おうとした二人の、嘘と約束の物語。
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日本の財閥を裏から支える名家・綴野家。
その後継ぎとして“完璧”を求められて育った少年、綴野春陽は、祖父の死をきっかけに全てを捨てた。
努力することも、誰かを好きになることもやめた春陽は、正体を隠し「水野春陽」として高校生活を送っていた。
「大切なものは、失うくらいなら最初から持たない」
そんな歪んだ価値観を抱え、孤独に生きていた彼の前に現れたのが、一人の少女――白瀬美南。
明るく、自由奔放で、どこか掴みどころのない彼女は、誰とも関わろうとしない春陽へ不思議なほど真っ直ぐ近づいてくる。
桜並木の帰り道。
放課後の屋上。
何気ない会話。
少しずつ積み重なる時間。
春陽は気づかないうちに、“春”を嫌う理由だったはずの感情を、美南へ向けるようになっていく。
だが、美南には春陽へ決して言えない“嘘”があった。
それは、二人の未来を大きく変えてしまう、残酷な秘密――。
別れを拒絶する少年と、別れを受け入れようとする少女。
桜が舞う季節の中で、二人が最後に交わした“約束”とは――。