あらすじ
世界を脅かす脅威をすべて滅ぼした最強の勇者がいた。
しかし彼女は、その強すぎる力に飽き飽きしていた。
「勇者なんて黒歴史です。二度とやりたくありません」
彼女が契約の精霊に願ったのは、「最強の力を、すべて最強の『生活魔法』に変えること」。
聖剣は包丁に、殲滅魔法は汚れ一つ残さない消滅魔法へ。そして彼女は自身の記憶すらも「お掃除」し、一人の有能なメイド「ユウ」として、名門貴族ローズベル家で第二の人生を歩み始める。
しかし、彼女の生活魔法は「最強」のままだった。
廊下を磨き上げすぎて、王族が一人残らず転倒。
「物理的に転倒させた=国家転覆罪」という強引すぎる理屈で、彼女は王都を追放されてしまう。
だが、それこそが彼女の狙いだった。
「ようやくこれで、効率的に無気力な生活が送れます」
追放先は、かつて魔王軍が支配し、呪いと穢れに満ちた「死の森」。
常人なら一日と持たない絶望の地で、記憶を消した最強メイドは、手に持った箒を構えて淡々と告げる。
「さて……まずはこの大地の『デトックス』から始めましょうか」