あらすじ
「クラウディア、ただ今をもって、キミとの婚約を破棄する!」
「――!」
国中の貴族が集う煌びやかな夜会の最中。
そこで公爵令嬢のクラウディアは、婚約者であり、この国の王太子でもあるアレッシオから、突如そう宣言された。
アレッシオには男爵令嬢のロレッタが、まるで恋人のようにしなだれかかっている。
「どういうことでしょうか殿下。わたくしと殿下の婚約は王家が決めた政略結婚。余程の理由がない限り、婚約を破棄するなど、いくら殿下でも許されることではございませんわよ」
だが、クラウディアは凛とした姿勢を一切崩すことなく、真っ直ぐな瞳でアレッシオを見据えるのだった――。
「くうぅぅぅ~~~~!! やっぱり悪役令嬢はドチャクソカッコイイですわぁ~~~~」
悪役令嬢小説のクライマックスとも言えるこの婚約破棄シーンは、何度読んでも胸がトキメキますわ!
――わたくしが悪役令嬢小説にドハマりしてから早や一年。
この一年でわたくしが読んだ悪役令嬢小説は、優に百冊を超えます。
この、どんな時でも決して焦らず、凛とした姿勢を崩さない悪役令嬢に、今やわたくしは畏敬の念すら抱いております……。
いつかわたくしも、悪役令嬢になりたい――。
――いや、なってみせる!
夢は願っているだけでは決して叶いませんわ!
そうと決まったら、即行動ですわッ!
「悪役令嬢に、わたくしはなりますわ!!!!」
声高に宣言したわたくしは自室を飛び出し、リビングに向かったのです――。