あらすじ
「マドンナ先輩の恋人になりたいっ!」
憧れの“マドンナ先輩”
――その正体は、誰もが振り向くほど美しい男子高校生だった。
主人公の春里菜々はゴールデンウィーク最終日、マドンナ先輩に遭遇する。
運がいいと喜んでいるのも束の間、彼は通行人に絡まれ始める。
「えっと、その……僕は大丈夫、なので……ほんとお気持ちだけで……!」
彼の声がだんだんと弱くなっていく。
諦めたように目を伏せる先輩に――菜々は思い出した。
入学式の日、吹き荒れる花吹雪の中で……濡れた頬のまま、それでも『大丈夫』と笑う、彼の姿を。
気付けば菜々は駆け出していた。
マドンナ先輩を――夏厩ルカ先輩を、助けるために!
寂しい顔をして『大丈夫』と笑う先輩を放っておけなかった。
全然大丈夫なんかじゃないのに、何かを諦めるみたいに必死に心を押さえつける先輩が見ていられなかった。
最初はただの庇護欲だったのかもしれない。
でも気付いたら……恋に落ちていた。
先輩のそばにいたい。
心からの笑顔で笑っていてほしい。
そんな願いが胸中で強く渦巻き――そして、強く決意した。
「私――先輩を守れるぐらい強くなる!」
猪突猛進な後輩が進み始めたのは、まさかの物理的に強くなるための日々だった!?
菜々はルカ先輩に告白するため“強くなる”という斜め上の努力を始める。
雪人先輩のスパルタな指導のもと鍛錬を重ねる日々。
しかしその裏で、ルカは彼女の行動に心を揺らしながらも、誰にも見せない嫉妬と弱さを抱え続けていた。
さらに、菜々に想いを寄せる少女・月影星蘭が現れ、恋は三角関係へと変わっていく――。
果たして菜々はちゃんと告白できるのか。
それ以上に、雪人先輩のスパルタトレーニングに耐えられるのか!
「ナナちゃんのこと……ずっと、嫌だったんだ……!」
ルカ先輩が放った一言が、あまりにも鋭く菜々の胸を貫いた。
知りたいと思うたび、先輩の抱えている闇を見る。
近づくたびに、彼が遠のいているような気がして――。
――でも……!
ルカ先輩を守れるぐらい、強くなりたいと願った。
強くなったら……きっと、彼にちゃんと『好き』って言えるから。
だから変わるんだって、自分に誓ったんだ!
それでも菜々は立ち止まらない。
彼の弱さも、嫉妬も、すべて受け止めた上で――それでも隣に立ちたいと願うから。
告白の先に待つのは、幸せか、それともすれ違いか。
それでも彼女は進む。“好き”という気持ちを、最後まで貫くために。
これは春里菜々が“恋を叶える覚悟”を知り、向き合う強さを手に入れる――成長と選択の物語である。