あらすじ
2026年。
東大阪の町工場「黒瀬精機製作所」は、3代続いた歴史に幕を下ろそうとしていた。
51歳の黒瀬直人は、父から継いだ工場を守れなかった。
元請けの買い叩き、技術の流出、材料費の高騰、人手不足。
時代のせいだと言えば簡単だった。だが直人には、どうしても忘れられない後悔があった。
父は1999年、54歳で工場の床に倒れた。
そして直人自身もまた、何も守れないまま工場の看板を外す日を迎えた。
その時、父が愛した古い旋盤が音を立てる。
目を覚ますと、そこは昭和60年。
直人は10歳、小学4年生の自分に戻っていた。
バブル景気。
阪神・淡路大震災。
就職氷河期。
失われた30年。
町工場の衰退。
そして、父の死。
すべてを知る51歳の知識と経験で、直人は今度こそ立ち上がる。
父の工場を潰させない。
職人の技術を安売りさせない。
日本のものづくりを、未来へ残す。
これは、10歳の身体に戻った町工場社長が、昭和60年の東大阪から日本の未来を作り直す物語。