あらすじ

むかしむかし、酒好きの与作という男がいた。とんだ甲斐性なしで、『貯え』という言葉を知らない。金が入ればその日のうちに酒に替え、翌朝には懐も記憶もすっからかん――そんな日々を飽きもせず繰り返している、どうしようもない男だった。 おっとっと、おっととと……。 ふらふらよたよた。この夜も例に漏れず、飲み屋の帰り道。薄雲のかかった月の下で、与作はおぼつかない足取りで歩いていた。 「おいっと……いけねえなあ。へへへ……」 つまずいて転びそうになるのもこれで何度目か。与作は一人、照れくさそうに笑い、頭をぼりぼりと掻いた。 飲みすぎちゃいましたなあ。わかっちゃいるんだけどねえ、と調子よくへらへらと笑った――そのときだった。 前方の家の陰に、ぼんやりと橙色の光が浮かんでいるのが見えた。

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小説を読もう2026/05/07
  • 現在の作品提灯 :約3000文字 :ホラー :昔