あらすじ

1946年、東京。爆撃で焼け尽くされた街の廃墟に、少年とも少女ともつかない存在が立っていた。 名前は施羅(せら)。包帯と銀の鎖で身体を拘束され、完璧な線対称の顔を持ち、世界を設計図として見る。見る者によって男に見えたり女に見えたりする、天使のような、標本のような何か。 施羅に恋をした峰子。施羅を所有しようとした元将校・一ノ瀬。施羅の身体を五年間研究し続けた真壁教授。そして、施羅を見届けようとした語り手「俺」。 バルザックの小説に登場する両性具有の天使「セラフィタ」、スウェーデンボリの神秘思想「相応(コレスポンダンス)」を下敷きに、昇天という現象を解剖学的に、冷徹に描く。 施羅は、どこへ行くのか。 そして語り手は、何を手に持ったまま、1946年の秋を歩くのか。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/05/07
  • 現在の作品施羅、1946年