あらすじ
『男爵領への投資を条件に、そちらのご令嬢を買い上げたい』
そう結婚を申し込んできた相手は、かつてドレス代を稼ぐために侍女として仕えていた侯爵家で、男爵令嬢のピアが一夜を共にした男性だった。
ーーー困ったわね。
男爵領は、このままだと没落、というくらいまで追い詰められている。
けれど、彼は自分をあの時の侍女と知っているのか。
産んだ子が、あのたった一夜で授かってしまった子だと知っているのか。
自分だけならともかく、男爵家の跡取りである息子を取られると困る、とピアは考えた。
その辺りの事情を確かめた上で、もし彼が知らないようなら、隠し通したまま話を受けよう。
そう考えて、彼との面会に臨んだ。