あらすじ
ペルヴェールの王女ミリアムは、隣国ヴォルフェンベルクとの同盟維持のため、第一王子との婚約を結ぶべく王宮を訪れた。
だが、そこで待っていたのは、まさかの展開。婚約者として紹介されたのはよちよち歩きの赤ちゃん王子だった。
本来の婚約である王子は、すでに王として即位しており、現在の第一王子はこの赤ちゃん王子だというのだ。
半ば人質のような立場とはいえ、この無茶ぶりに内心反発しつつも、国の事情を思いミリアムは婚約を受け入れる。
しかし、当の赤ちゃん王子は人懐っこくて天使のような可愛さ。あっという間にミリアムは夢中になり、気づけば溺愛モードへ。
一方、父である若き王は極度の無表情で不器用すぎる性格。息子にもなかなか懐かれず、ぎこちない親子関係が続いていた。そんな二人の距離をなんとか縮めようと、ミリアムは奮闘を始める。
「笑顔の練習」をするうちに、彼の不器用な努力と、王子への深い愛情に触れ、ミリアムは次第に彼の人となりを理解していく。
やがて、北方民族に侵攻の動きが起こる。そして、ヴォルフェンベルクの兵力不足という現実が明らかになる。
ペルヴェールは海賊から身を守るためにヴォルフェンベルクの兵団を借りていたのだが、その兵団を帰還させなければ、戦には到底勝てない。
国の命運を左右する重大な判断が迫られ、事態は一気に緊迫していく。
王宮の空気が緊張する中、ミリアムは亡き妃ユリアの存在に触れ、王の過去と心の傷を知ることになる。
さらに王子が突然高熱を出し、まるで獣のような異常な行動を見せた。暴れる王子を抱きとめる王と、必死に歌で落ち着かせようとするミリアム。その歌声には、人を眠らせる不思議な力があった。
騒動のあと、王は息子への想いから自然な微笑みを見せる。しかし同時に、亡き妃とのすれ違いと「愛」が伝わらなかった過去を語り、その傷はいまだ癒えていないことが明らかになる。不器用な優しさを抱える王と、そんな彼に心を動かされていくミリアム。
戦の気配が迫り、ミリアムは一つの決断をする。
争いを止める。誰も傷つけない。そのために「歌の力」を使うのだと王を説得した。
国境付近に布陣する北方民族に向かってミリアムは歌う。
彼らが眠りに落た隙に、話し合いの意思を伝えるための贈り物を届けた。
その結果、思いは届き、ついに両国は会談の場を設けることになる。
会談当日。
王と北方民族女王サイラは対面し、緊張の中で言葉を交わす。
和平は成立寸前まで進む。
しかしその瞬間、予定より早く帰還したヴォルフェンベルクの兵団が接近し、狼の遠吠えが山に響く。
それを開戦の合図と受け取られ、女王は裏切りと判断する。
王は誤解を解こうとし、自軍の攻撃を禁じ、単身で説得を続けるが叶わず、状況は悪化する。
ついに女王は獣へと変貌し、戦闘を開始。
歌の力を危険視する女王は、ミリアムに照準を定めた。
ミリアムを守るため、王もまた黒き狼へと姿を変え、女王と激突した。
そのとき、すべてを止めるかのように、ミリアムの声が響いた。