あらすじ
王太子レオナルドは、生まれて初めて“拒絶”された。
「私に近づかないで!!」
相手は、公爵令嬢グレース・アシュフォード。
“悪女”と噂され、闇魔法を操る忌み子として恐れられる存在だった。
関わった者は皆、なぜか彼女から離れていく——
それでも、忠告されるほど、なぜか目が離せない。
冷たいはずの視線。拒絶する態度。なのに胸の奥がざわつく。
そして気づく——彼女のことだけ、なぜか思い出せない。
公爵令嬢を知らないはずがない。
それなのに、記憶が“抜け落ちている”ような違和感。
まるで——最初から、そこだけなかったかのように。
「……関わらないほうがいい」
そう言われても、もう遅かった。
気づけば視線は、いつも彼女を追っている。
理由なんて分からない。
ただ一つだけ確かなのは⸻
彼女を“悪女”と呼ぶ声を聞くほど、胸がざわついていくということだ。