あらすじ
怪獣は、消えたのではない。
利回りになっただけだ。
七十年の沈黙を空売りした者たちの、長く静かな相場戦が始まる。
二〇三五年、元損保アクチュアリー芹沢大助は、
駿河海溝・鬼ヶ淵海淵の深海音響データに、
七十年前の波形と「似すぎた」反復を発見する──
それは、過去三回の怪獣災害と酷似していた。
次に現れるのは、未知の第四号か。
それとも、七十年前に死んだはずの第三号なのか。
誰も信じない。
政府も動かない。
市場は笑っている。
そんな芹沢のもとに、若き投資家・三枝蘭が現れる。
「怪獣が来る方に、賭けませんか」
怪獣が来なければ、彼らは破滅する。
怪獣が来れば、彼らは勝つ。
だが、怪獣が来るということは、どこかの街が壊れるということでもある。
これは、怪獣が出現する前の物語。
データの中に予兆を見つけた者たちが、七十年の安全神話に逆張りする金融サスペンス。