あらすじ

「本当の僕は、何者なんだろう?」  ウツシミという名のコピー能力者は、そう呟いた。ウツシミは"コピー"の能力を用い、誰にでもなることができる。  だが、本当の自分が何者なのかが分からないウツシミは、自分にだけはなることができない。真っ黒な身体に無数の真っ赤な目という姿のウツシミは、本当の自分が人間なのか魔物なのかすら分からない。  だからこそウツシミは、本当の自分が何者なのかを探す旅に出た。その旅の道中ウツシミは、ユウリという名の少女に出会った。 「私は、死なないとならないんです。私が死なないと、世界が滅んでしまうから」  ユウリはとても悲しそうな顔で、そう口にする。ユウリはその身体に真っ黒なオーラを宿している。それは、はるか昔世界を滅ぼした存在である"終末の化身"と同じ力であり、ユウリは身体の中に"終末の化身"を宿していると思っている。だからこそユウリがこのまま生き続けると、終末の化身が目を覚まし、世界を滅ぼしてしまうという見立てだ。  だが、ユウリは死ぬことができない。真っ黒なオーラが、死のうとするユウリを守ってしまうのだ。だがらこそユウリは、死ぬ方法を探していた。  そのユウリの境遇を聞いたウツシミは、思う。 (正直どうでもいいなぁ)  ウツシミが興味あるのは、自らが何者であるかのみななのだ。  だがウツシミは、ユウリとともに旅をする。  ウツシミは、ジャバラというフード付きのコートを纏う不思議な雰囲気の女性から、とある予言を受けていた。 「五人の王と一人の少女をコピーしな。そうすれば、本当の君を見つけることができるだろう」  そしてユウリこそが、ジャバラの言葉の中の"一人の少女"と推測される。  だからこそウツシミはユウリをコピーしたいが、それもできない。ウツシミが他人をコピーするためには、その真っ赤な目で相手を観察し、どんな存在であるかを把握する必要があるのだが、ユウリを観察しようとした瞬間、息もできなくなるほどに恐ろしい恐怖がウツシミを支配したのだ。  だからこそウツシミはユウリと共に旅をし、時間をかけてユウリのことを知っていく。  そんなウツシミとユウリの旅が、始まった。本当の自分を見つけるために、自らを殺すために、二人は足を進める。

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カクヨム
カクヨム2026/05/06
  • 現在の作品コピー能力を持つ怪物は、死にたがりの少女をコピーしたい