あらすじ

人の感情が「タグ」として見える——それは、石原久希にとって呪いだった。 五月の朝、泉方橋。彼は一人の少女が欄干を越える瞬間を目撃する。 次の瞬間——少女も、彼女の痕跡も、すべて消えた。 翌日、彼女は何事もなく学校に現れた。 時間を止めることができると名乗る彼女の名前は、緒山朋奈。 明るくて優しい。だけど、久希だけは気づいてしまう。 彼女の感情タグだけが、いつも壊れていること。 彼女が、時々、泣いていること。 そして、彼女がこの世界から「消えよう」としていること—— 異能力を持つのは、彼女だけじゃない。 存在が薄れゆく後輩・立花美里は、服を着替えるたびに「誰かに見えなくなる」。 完璧を求める会長・春野陽明は、危険を避けるたびに、その代償を仲間に押し付ける。 妹のために自分を消そうとする少年・朝日守は、星空を創るたびに、自分の感覚を失っていく。 彼らは皆、誰かの手を必要としている。 あの朝、彼女を「見た」のは、偶然ではなかったことを。 彼女はかつて、誰かに救われたことがある。 そして、その「誰か」は、もう覚えていない—— これは、異能と代償に抗いながら、互いに手を伸ばす物語。

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カクヨム
カクヨム2026/05/06
  • 現在の作品見える感情、見えないまま