あらすじ
「ねえ、この写真おかしくない?」——同僚の何気ない一言が、三年間の幸せを崩壊させる引き金になった。彼女・彩花との思い出の写真。それを鏡に映すと、普段は無表情な彩花が満面の笑みを浮かべている。一枚だけじゃない。全ての写真で、鏡の中の彩花だけが笑っていた。「クールな性格」だと思っていた。「感情表現が苦手なんだ」と信じていた。でも本当は——?彩花の部屋で見つけた大量の鏡。そして一冊の日記に書かれた衝撃の一文。『鏡の中の私だけが、本物——』彼女は何を隠していたのか。なぜ僕の前でだけ笑えなかったのか。真実を知った時、もう全ては取り返しがつかなくなっていた。これは、大切な人の「本当の笑顔」に気づけなかった僕の、再生と贖罪の物語。鏡が映すのは反転した像にすぎない。本当のものは、いつも目の前にあったのに。