あらすじ
だらしない年上探偵と、秘密を抱えた男装助手。雨の夜に距離が近づく、じれったい探偵バディ恋愛譚。
探偵の橋田さんは、だらしない。
煙草は吸う。部屋は散らかっている。すぐに僕をからかってくる。
生活能力はあまり信用できないし、言うことも適当だ。
けれど、危ない時だけは妙に手が早い。
事件調査が長引いた雨の夜。
帰る場所を失った助手の渡 悟(わたり さとる)は、成り行きで橋田さんの家に泊まることになる。
一つ屋根の下。
散らかった部屋。
一つのベッド。
そして、いつもより近い距離。
男として振る舞っている悟には、誰にも知られたくない秘密がある。
女だと知られれば、また傷つけられる。
弱いものとして扱われるのも、守られるだけの存在にされるのも、もう嫌だった。
なのに、橋田さんはいつもの調子で距離を詰めてくる。
からかって、笑って、ふざけて。
そのくせ、本当に怖い時だけは何も聞かずにそばにいる。
だらしない年上探偵と、秘密を抱えた男装助手。
雨の夜、たった一晩の出来事が、二人の距離を少しだけ変えていく。