あらすじ
西暦二千年。
第三次世界大戦、勃発。
後に『サード・ウォー』と呼ばれるそれは、人類がこれまでに三度も繰り返した最も愚かな選択だった。
進み過ぎた兵器は戦場を人の手から逸脱させ、もはや戦争は大人たちだけでは成立しなくなっていった。
そしてついには、年端もいかない少女たちまでも兵器にすることで僅かな均衡を保っている危険な状態が続いていた。
可変式人型強襲騎兵《トランス・ギア》が戦場を支配する時代。
『サード・ウォー』勃発から四年――、二〇〇四年。
ある小国で一人の“異端”が誕生する。
―――『人を殺さない』。
それは理念ではない。
戦場においては生存を放棄するに等しい思想だった。
その存在は戦争という前提そのものを否定していた―――。
一方、大国では勝利の象徴として一人の少女が“英雄”へと作り替えられていく。
記憶は削られ、感情は管理される。
それでも少女は戦場に立たされ続ける。
守る者と、守られる者。
忘れる者と、忘れられる者。
引き金を引く理由さえ奪われた少女たちはそれでも選択を迫られる。
『撃つ』のか。
『撃たない』のか―――。
やがて思想のもとに少女たちは集い、名もなき円卓が生まれる。
そこに座る資格は、ただ一つ。
―――『何』を選択したのか。
これは、兵器にされた少女たちが再び“人”であろうとする物語―――。