あらすじ
東京都板橋区の最果て、「大山ハッピーロード商店街」の片隅にある古びた雑居ビル。そこに、レイモンド・チャンドラーを愛し、ハードボイルドに生きる探偵がいる。
彼の名は付里夫真郎(フリプ・マロウ)。本名・山田太郎。 「聖なる拳銃」で街の悪を撃ち抜く……と豪語しているが、実際は家賃の支払いにも困る素人童貞の自称ハードボイルド探偵だ。愛飲するのはギムレットではなく、ディスカウントストアで買った24缶598円の「微糖の缶コーヒー」。
マロウは脳内でどんな小事件も「国家規模の陰謀」や「ファム・ファタールとの危険な遊戯」に変換し、キザなセリフで虚勢を張る。しかし、残酷な現実はいつも彼の美学を打ち砕き、報酬の重み(と大家の怒号)にはあっさりと屈してしまう。
それでも、弱き者を切り捨てられず、誰からも必要とされないものを拾い上げる優しさだけは本物だ。
情けなくて、滑稽で、だけど最高にカッコいい。 少しの苦みと、ほんの少しの甘さが胸に残る、微糖テイストな日常ミステリーが開幕!