あらすじ

両手で操作するゲームは下火となり、脳波で操作するVRゲームが主流となった近未来。その時代から遡ること数十年前の日本を舞台にしたとあるVRゲームがコアなゲーマー達の間で話題になっていた。 その作品の名は『極道ステゴロチャカポン』――通称『ゴロポン』 どこか抜けた語感のタイトルだが、それとは裏腹に内容はゴリゴリのバイオレンスであった。 目と目が遭えば飛び交う怒号と拳に鉛玉。刃を振るえば舞う血飛沫。禁止事項はチートを除いて一切なし。スキルの類いやアクション補正は一切なく、プレイヤーの反射神経と操作技量のみが要求される、現実と遜色ない”強さ〟こそが絶対正義のオープンフィールド型VRMMO。 新規プレイヤーは『鬼鋸組』と『嶽之湖組』どちらかの構成員となり、レトロな雰囲気の漂う日本を舞台としたオープンフィールドを自由に動き回り、手柄を立て『鬼鋸組』と『嶽之湖組』の【若頭】を目指すという内容である。 手柄を立てる方法は様々。敵対組織の構成員を掃除したり、祭りで的屋を並べたり、賭場を開いたり。ただしヘマやらかしてマップを巡回している警察の御用になると手柄はゼロでムショ送り。加えて残機1のタマを取られた場合はすべてが無に帰すナイトメア仕様。リスポーン?そんなものはない。 生者である事が正義な蠱毒の坩堝。一手間違えたらすべてが灰燼に帰すゲームだが、そんなゲームにも関わらず参入するプレイヤーの数は後を絶たない。それはなぜか。 ――とあるプレイヤーは語る。 『このゲームの最上位ランカーの称号である【若頭】になると1000万が手に入るんだってさ。いや、ゲーム内通貨じゃなくて、マジモンの1000万。初代【若頭】になった元プロゲーマーがSNSで投稿してた。夢あるよなー』 ――とあるプレイヤーは語る。 『先月ランカーの【若頭補佐】になったら運営から3万円分のネットギフトが贈られて来た。おかげで毎日カップ麺が食べられてとても助かっている』 ――とあるランカーは語る。 「人を殴れて負け犬の遠吠えも聞けてお金まで貰えるならやらない理由がないよね?」 一攫千金を夢見る者、一日一食を求める者、一石二鳥を狙う者。様々な思惑が渦巻く電子の鉄火場は今日も煌々と燃えている。

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小説を読もう2026/05/06
  • 現在の作品極道ステゴロチャカポン