あらすじ
かつてたった一人で大国を滅ぼし、「東の修羅」と恐れられた青年ジン。
己のすべてを破壊する力に絶望した彼は、過去を捨て、辺境の森で静かな隠遁生活を送っていた。
ある日、彼は買い出しの道中で、関所を蹂躙していた魔王軍四天王――身長二・五メートルのオークの女傑・ギルザと遭遇する。
彼女の放った渾身の戦斧を「指二本」で粉砕したジン。その圧倒的な力の差に歓喜したギルザは、なんとその場で魔王軍を脱退し、押しかけ女房としてジンの家に住み着いてしまった!
「偉大なるオスよ! 妻としての甲斐性を見せてやるぞ!」
「何もするな。お前が動くと家が壊れる」
家事は壊滅的、シャツを揉めば引き裂き、動くだけで家が軋む。
厄介払いをしたいジンだったが、不器用ながらも血を流して「針と糸」の特訓に励み、自分に尽くそうとする彼女のひたむきな姿に、少しずつ凍てついた心を溶かしていく。
だがある日、二人の騒がしくも温かい日常を、理不尽な天災「古代地竜」が襲う。
最強のオスにただ従うだけだったオークの女傑は、不器用な自分に初めて居場所をくれた「小さな家」を守るため、一人で巨大な絶望へと立ち向かい――。
これは、奪うことしか知らなかった孤独な修羅と、戦うことしか知らなかった不器用なオークの大女が、ちぐはぐな同棲生活を経て「最強の家族」になるまでの、騒がしくもいとおしい純愛浪漫。