あらすじ
体育祭の放課後、椎名香穂子は、調理実習室で制服のリボンを包丁で切り刻んでいた。
優等生で生徒会長、誰もが認める『完璧な生徒』の本性を、ただ一人――写真部顧問の望月流星に目撃される。
以来、望月は香穂子を撮り続けた。多重露光、長時間露光。写真の技法と同じ速度で、香穂子の仮面は剥がれていく。
しかし望月は、なぜか香穂子のリボンの欠片を持ち歩いていた。さらには、ゴミ捨て場に執着している。
異様な行動を調べると、八年前に死んだ女子生徒の残像を知る。少女は生徒会長で、教師の信頼が厚く、友人はいなかった。
「……私?」
桜の咲く卒業式まで、あと二ヶ月。寒気と共に、カウントダウンは始まっていた。