あらすじ
扉を開けると、白い欠片が目の前を通り過ぎた。
「今回は何位?」
僕は尋ねながら藤枝さんの部屋に足を踏み入れる。勤務初日は高校生といえど女性の部屋に入るのは少し緊張したが、今となっては少しの抵抗もない。
「7位です」
「すごいじゃん」
「すごいだけですよ」
少しも嬉しくなさそうな声とシャーペンが紙を走る音が混ざった。
僕は彼女に一歩近づくたびに散らばる紙片を集めていく。
「すごいだけで、景色は変わんない」
彼女の手はペンを止めない。彼女の目はノートと問題集を行き来している。
僕は部屋中に散らばった紙片を集めてゴミ箱に入れ、窓際に置かれた椅子に座った。
「一番前に立てなきゃ意味ないですから」