あらすじ
高校一年の朝倉恒太には、誰にも言えない「好き」がある。
それは、女の子の可愛い服を見ること。布の重なりや、やわらかい色合い、細部のつくりに、どうしようもなく心が引かれてしまう。
けれど、その気持ちが何を意味するのか、自分でもわからない。
男なのにおかしいのではないか。
そう考えては、誰にも言えないまま胸の奥にしまい込んできた。
ある日、ショッピングモールで服を見つめていた朝倉は、同級生の結城さんに声をかけられる。
「その色、いいね」と、同じものを同じように見ていた。
その出会いをきっかけに、朝倉は少しずつ、自分の中にある言葉にならない気持ちと向き合っていく。
白か黒か、男らしいか女の子らしいか。
そんなふうに割り切れない“途中の色”のなかで、自分を消さずに生きていくための物語。
これは、まだ名前のつかない「好き」を抱えた少年が、誰かのまなざしによって、少しずつ自分の輪郭を見つけていく青春小説です。