あらすじ

「市民生活部,未完了係を命ずる」 春から市役所職員になった朝倉澪に下された辞令は,聞いたこともない部署への配属だった. 未完了係. それは,亡くなった人や,事情があって最後まで果たせなくなった人の“やり残した仕事”を,可能な範囲で引き継ぐための係だった. 最初の依頼は,時計職人が亡くなる直前まで気にしていた,保育園の古い壁掛け時計の修理. 続いて届くのは,宛先の分からない手紙,そして閉店する喫茶店からの奇妙な相談. どうして,そんなことまで市役所がやるのか. これは本当に,仕事と呼べるのか. 戸惑う澪の前で,止まっていた時計が動き出し,届かないはずの言葉が誰かのもとへ渡り,閉じるはずの店に最後の灯りがともる. 終われなかった仕事は,誰かに引き継がれたとき,ほんの少しだけ未来へ進む. 新人職員・朝倉澪が,春の町で出会う,未完了な人々の物語.

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小説を読もう2026/05/06
  • 現在の作品未完了係の春