あらすじ

大地は汚染され、人は空に浮かぶ都市でしか生きられなくなった。 だが、浮遊都市も永遠ではない。 都市核の劣化により、都市は少しずつ高度を失い、外縁区画を切り離して延命している。 浮遊都市オルディナの下層外縁区に暮らす整備見習い、ノア・アークライト。 彼の住む第七外縁区は、都市を軽くするため、廃棄対象に指定された。 移送枠は足りない。 力のある大人、資格を持つ職人、都市に必要な人材から順に上層へ移される。 残されたのは、孤児、病弱な子、まだ働き手として数えられない幼い子供たち、そして彼らを見捨てられなかった数人の大人だけだった。 ノアは、子供たちを救う方法を探し、区画地下の旧市街層へ潜る。 そこで見つけたのは、忘れられていた旧式補助都市核。 切り離しの日。 第七外縁区は空の底へ落とされる。 都市核は、完全な浮遊には失敗した。 けれど、シールドを張り、落下衝撃と落骸海の汚染から、わずかな生存圏を守った。 空へ戻る力はない。 だが、空の底で生き延びる力はある。 落とされた区画は、落骸海の底で、小さな独立移動都市として動き出す。 水も足りない。 食料もない。 都市核は不安定。 それでも落骸海には、過去に落とされた都市、塔、庭園、工房、学校、神殿の残骸が眠っている。 ノアたちは、それらをサルベージしながら、箱庭のような小さな都市を少しずつ育てていく。 捨てられた子供たちの避難場所は、やがて空の底を進む領地となる。 そしてノアは知る。 なぜ都市は落ち始めたのか。 なぜ地上は汚染されたのか。 なぜ旧式都市核は、忘れられていたのか。 これは、捨てられた下層区画を、落骸海の底からもう一度空へ帰す物語。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/05/05
  • 現在の作品落骸都市の箱庭領主