あらすじ
「あなたって、本当に退屈な人」——婚約五周年の記念日、霧島燈吾は恋人に捨てられた。しかも相手は、自分を窓際に追いやった上司。会社も恋人も、全てを失った三十二歳の男に残されたのは、祖父が遺した岬の古い灯台だけだった。誰にも必要とされない自分には、誰にも忘れられた場所がお似合いだ——そう思い、燈吾は全てから逃げるように灯台守となる。静かで孤独な日々。それでいい、と思っていた。あの嵐の夜、海から一人の令嬢を助けるまでは。「あなたがいないと、生きていけません」目覚めた彼女——海音は、なぜか燈吾のもとに毎日押しかけてくるようになり……? 都会で全てを失った男と、海から現れた訳ありの令嬢。孤独な灯台を舞台に紡がれる、不器用な二人の再生と純愛の物語。誰かに必要とされることの温かさが、きっとあなたの心も照らします。