あらすじ
高校二年の春。
佐倉湊斗の下駄箱に、一通のラブレターが入っていた。
差出人は、三年前に親の海外転勤でイギリスへ行った初恋相手・雨宮栞。
栞がこの学校にいるはずはない。
それなのに手紙には、湊斗と栞しか知らないはずの図書室の思い出が書かれていた。
放課後、旧図書室で待っています。
今度こそ、続きを聞かせてください。
怒りと好奇心に動かされた湊斗は、友人の相沢朔、同級生の伊藤香織とともに旧図書室へ向かう。
そこで見つけたのは、三年前に栞と最後に話した本と、謎の一文だった。
『白瀬陽菜に、蝶の話を聞け』
白瀬陽菜。
学校一の美少女。
誰からも好かれる完璧な少女。
けれど彼女は、この異常な出来事を怖がるどころか、楽しんでいるように見えた。
「高校生活って面白いね。昨日までは何でもなかった朝が、今日は事件になるところ」
そして調べるうちに、湊斗たちは知る。
三年前にも、病死した少女の名前でラブレターが届く事件があったことを。
いるはずのない人から届くラブレター。
白瀬陽菜という蝶。
そして、少しのきっかけで動き出す人間関係。
これは、初恋を勝手に動かされた少年と、人の心が動く瞬間を見て笑う美少女の、危うい青春ミステリー。