あらすじ
「あなたは、勇者の転生体だ」
そう告げられた少年の指には、前世の記憶が疼いていた。
60年前に世界を救い、一人残されたエルフの賢者イリス。彼女は「英雄」との再会を願い、少年のもとを訪れる。しかし、少年の魔力は未熟で、世界は再び闇に飲まれようとしていた。
王国、守人、そして前世の仲間たちが託した願い。重圧に押しつぶされそうになりながらも、少年は旅路で気づいていく。賢者が本当に求めていたのは、英雄の再現ではなく、隣を歩く「誰か」の体温だったことに。
失われた「ありがとう」を伝えるための、10年、そして100年を紡ぐファンタジー叙事詩。