あらすじ
羽田創司が妹のために義足を完成させた頃、白衣の魔女は外套にこぼしたコーヒーの染みと格闘していた。
藤岡辰人が竜の頭蓋を割った時、元聖騎士グラスフェンは一通の依頼書に目を通していた。
網代恒一が生まれて初めて人を殺したその瞬間、断罪の魔王イールステッドは鳴り止まない目覚まし時計を壁へ投げつけた。
誰かが歩き出した時、別の誰かの道が揺らぐ。
誰かが戦う裏側で、別の誰かの日常が続く。
探索者は潜り、魔女は企み、騎士は抗い、魔王は寝坊する。
交わる世界で、それぞれの人生が響き合う。
迷宮が、異世界が、
世界をまた、少しだけ広くする。