あらすじ
九州の山深い里、永山村。閉鎖的な農村に暮らす小学五年生の青井瑠璃子は、死者が見える能力を持っていた。出戻りの母と祖父母のもとで育った瑠璃子は、「見えること」を家族にも告げず、感情を押し込めて生きてきた。この家では、誰も言葉を尽くさない。嵐が過ぎるのを待つように、誰かの怒りを誰かが眺める——それが、瑠璃子の知る家族の形だった。
ある夏、クラスメイトの相良浩樹が行方不明になる。瑠璃子は霊感を持つ親友の山代梓、そして浩樹の親友である椎葉健斗とともに、浩樹の失踪の真相を追い始める。調査の過程で、三人は永山村に古くから根付く怪異の存在を知る。