あらすじ
戦乱の世――
上杉謙信 の死によって、上杉家は崩壊の淵に立たされた。
当主の座を継いだのは、わずか十一歳の少女――愛。
だがそれは、ただの継承ではない。
上杉の当主にのみ許された禁忌。
代々受け継がれてきた“軍神の血”と、直江兼続 に象徴される“知の継承”。
そのすべてを宿す者こそ、真の後継。
しかし幼き当主を認めぬ家臣たちは次々と離反し、上杉は内から崩れた。
残るは、わずかな忠臣と、圧倒的兵力差。
――詰み。
誰もがそう確信した、その時。
少女は“愛”という名を捨てる。
「……その名は、もういらない」
軍神の戦場を視る眼。
知の頂に至る思考。
そして――人ならざる“何か”。
それはもはや神ではない。
知でもない。
ただ一つ。
恐怖の象徴として語られる存在。
やがて人はそれをこう呼ぶ。
織田信長 にも比される、
――第六天の魔王、と。
これは、愛を捨てた少女が、戦国そのものを塗り替える物語。