あらすじ
ダンジョンが出現して十年。攻略者や魔法使いが活躍する時代に、俺・神崎凌が得たスキルは「システム管理(下請け)」だった。
華やかな戦闘スキルでも強力な魔法でもない。ダンジョンの管理・運営を担う事務系スキル——それも「上位存在からの業務委託」という形で。同期からは笑われ、ギルドからは厄介者扱いで押し込まれたダンジョン管理局に配属された。
しかし、管理者だけに開示される「システムの裏側」を見た俺は気づいてしまった。
ダンジョンとは、上位存在がマナを収穫するための巨大な経済システムだ。人間が魔法でマナを使えば使うほど、その80%が「システム手数料」として上位存在に吸い上げられる。そしてその利益となるマナの量は、人間が使う量の比ではない——理想のアイテムを、理想の能力を、理想の世界さえ作れるほどの巨大な富だ。
そして俺は、その経済システムの「管理人」だ。
誰も気づいていない。この下請け仕事が、世界で最もマナに近いポジションだということに。
上位存在の社会に組み込まれた歯車として使われるはずだった俺が、その歯車の仕組みを理解したとき——逆転が始まる。