あらすじ
小学校の時、初めてバスケットボールに触った。
―ただのクラブ活動だった。
必ずなにかしらのクラブに参加しなくてはならなかったから、バスケットを友達と一緒に選んだ。
クラブ活動とはいえ、経験者もいたし、僕みたいに初心者もいる。
―ただのクラブ活動だった。
一緒に始めた友達も初心者で、仲良く出来た。
クラブの中で、一番うまかったのは、勇人(はやと)だ。
勇人は身長も高く、ミニバスに入ってたから、とてもうまかった。
その勇人と肩を並べてうまかったのは、ヨシアキだった。
名前の漢字はわからないが、ヨシアキ。
巨体、…身長ではない。
その巨体でしかし速かった。ぶつかると、吹っ飛んだ。
―ただのクラブ活動だった。
その2人が相手に回ると、勝ち目がなかった。
味方になれば、こんなにも心強い味方はいない。
が、相手に回る事が多かった。
―ただのクラブ活動だった。
小学校最後のクラブ活動の日。つまるところ、最後の試合。
学校内だったけど、最後の試合。
勇人が相手チームにいた。
最後の試合で、負けは決定だった。
―ただのクラブ活動だった。
キセキが起きる訳もなく、惨敗の得点差。
残り数秒、もうやけになって、3ポイントラインから打ってやろうと、構える。
勇人は容赦なくブロックに来る。
―ただのクラブ活動だった。
勇人と僕の身長差は、かなり離れていたが、最後の最後だから、ディフェンスに来たのだった。
―ただのクラブ活動だった。
僕の手から離れたボールは、
―ただのクラブ活動だった。
勇人のディフェンスをこえて、
―ただのクラブ活動だった。
高い弧を描き、
―ただのクラブ活動だった。
ゴールに吸い込まれていった。
ただのクラブ活動だった、その3ポイントが入るまでは…。
僕を、中学のバスケ部に入部させるほどの快感を与えた―――