あらすじ
小学五年生の黒沢(くろさわ)優俊(まさとし)は母親のネグレクトによって人間不信の現実主義者になり、またひねくれた性格もあって同級生からも敬遠されている。だが黒沢は気にかけず、将来、好きな数学の研究をするため、勉強漬けの生活を送っている。
そんな黒沢の隣の家に、真白(ましろ)まほ子(こ)という少女が越してくる。実はまほ子は半人前の魔女――、魔女っこだった。まほ子は魔法は下手だが料理の腕はよく、食生活が杜撰な黒沢になにかと食べさせようとする。人と関わりたくない黒沢はまほ子の好意を拒否するが、毎度彼女のペースに巻き込まれる上に、まほ子の師匠・黒ネコのノワールが経営するカフェをひょんなことから手伝う羽目になる。
カフェには度々悩みを抱える同級生が訪れ、まほ子は魔法と料理で解決していく。そんなお人好しなまほ子のことを黒沢は理解に苦しむ。
そんなある日、まほ子を敵視する魔女・エムリスが来訪し、彼女は魔法で黒沢を誰もいない世界へと飛ばす。そこは黒沢が望む世界で、彼は願い通り一人で生きていこうと決意する。だが、まほ子が迎えに現れ、黒沢に一人じゃないと呼び掛ける。そんなまほ子に黒沢はまだ不信感を抱くが、彼女も天涯孤独な身であったものの、ある魔女に救われた過去を持つと知ると自我を取り戻し、まほ子とともに現実へと帰る。
魔法を解かれたエムリスは黒沢に再度魔法をかけようとするが、黒沢は、たとえ嫌な世界でも自分が生きるのは現実だと拒絶。魔法が効かず動揺するエムリスに、まほ子はイートンメスというお菓子を振る舞う。人間が理解できないと言うエムリスに、人の心はイートンメスの感触のように曖昧なので理解できなくて当たり前、だからこそ面白い、とまほ子は説く。彼女の言葉に動かされたエムリスは黒沢に魔法をかけることは諦め、「またね」と言って姿を消す。
一方のまほ子もエムリスのような一人前の魔女になろうと感化されるが、その矢先、魔法を失敗する。巻き込まれた黒沢は、やはりファンタジーは大嫌いだと強く思うのだった。