あらすじ
〈明日から君に花束を~あらすじ~〉
妖精の少女ラティーは妖精の国ポラルから花を摘んで人間の国の小さな村で売りながら、その村で暮らしていた。
ところが突然ある日ラティーは倒れ、病にかかった。
人間にとってはただの風邪だが、妖精のラティーには死に至る病だった。
異変に最初に気づいたのは近くのパン屋が家業の少年タックだった。
タックの家族や村の人の中には、人間の病を治せても、同じ病にかかった妖精ラティーを治せる術を持つ者はいなかった・・・。
タックはラティーが妖精の国から来てからずっと傍にいて、ラティーの事をよく知った仲だと思っていたが、こんなにも自分がラティーのことで危険な時に何も出来ないほど無力だとは思ってもみなかった。
ただ、このままではいたくない気持ちでいた。
もう一度ラティーを見た時覚悟を決めた。
「ラティーの母国の妖精の国ポラルに行けばなんとかなるかもしれない」
けれど、同時にそれはラティーの傍から離れなくてはならない。
後悔するならやるだけの事をやってからだっていい。
何もせずに後悔するよりかずっとましだ。
ラティーが倒れた瞬間、
「花を・・・」
とだけつぶやいていた。
あの時、自分に大切な何かを伝えようとしたのかもしれない。
それが今の自分にやれることかもしれない。
それともラティーの店の花の事をただ言っただけかもしれない。
けど、ラティーは必ず一番大事なことを最初に分かって欲しいと思う癖があった。
それは自分が一番よくわかっている。
自分の経験の中だけで言えば・・・だ。
けれどその言葉を自分に向けて言っていた。
それなら、自分にその言葉を託したに違いない。
「やはりここにいるわけにはいかない」
この村はラティーが来てから花が咲くように、美しくなっていった。
自分が今行かないといけないのはポラルだ-----------!
タックを止める人は誰もいなかった。