あらすじ
ガリー・ガリガリ教官である。
騎士見習いたちにとって、ガリーは鬼教官である。
だが一人だけ恐れない強者がいた。
ジャン・ダンである。
優秀な成績で騎士団に入団したが、訓練では何故か落ちこぼれだった。
とにかく眠る眠る。
訓練中でも舟を漕ぎ、ガリーが叱っても眠る眠る。ガリーは頭を抱えた。
食堂でも舟を漕ぎ、スープの皿に顔を突っ込むこともあった。
ガリーは思わず世話を焼く。
あるときガリーは目撃する。
王太子殿下とジャンが一緒にいるところを。
笑い合う姿に胸の奥が痛んだ。
「オレの体質はどんな毒でも体内で分解できるんですよ。その代わり眠くなるんですけど。オレが優秀な成績で騎士団に入団したんで、王太子殿下が毒味役はもったいないとおっしゃられて、毒味役から外してもらえそうなんですよ」
「だからいつも寝てばかりだったんですね」
「てっきり教官は知っているものかと思ってました」
「ガリーと呼んで下さい」
「いいんですか? オレまだ教官にふさわしくないのに?」
「私の隣は私が決めます」
二人は見つめ合い、そしてどちらともなく、キスをした。