あらすじ

高校二年生の白川透子には、生まれつき秘密がある。 人が嘘をつくとき、その唇から桜色の花びらが散る。 その眼を持ったせいで、友達の言葉も、家族の励ましも、先生の「大丈夫」も、全部が花びらに汚されてきた。傷つくことに疲れた透子は、いつしか「透明人間」を選んだ。誰にも期待しない。深く関わらない。クラスの端っこで本を読みながら、心だけはいつも少し遠くに置いておく——それが、彼女の生き方だった。 ある放課後、教室に謎の光が溢れ、透子はクラスメートごと異世界へ召喚される。魔王の侵攻に苦しむ王国が求めていたのは「聖女」。大魔法使いのゼノは、透子の瞳に気づいて言った。*「それは、女神が千年ぶりに授けた聖眼だ」*と。 でも透子がほんとうに驚いたのは、それじゃなかった。 この世界に来て初めて——嘘の花びらが、一枚も飛んでこない人に、出会えたから。 第一王子・レイン、銀髪の騎士・アッシュ、宮廷魔法使いのソレイユ。彼らの言葉には、嘘が混じっていない。それが透子には、奇跡みたいに見えた。 「あなたのことが、知りたい。眼のことじゃなく」 本物の言葉を、受け取り方さえ、忘れていた女の子の話。

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小説を読もう2026/05/04
  • 現在の作品あなたの嘘が、桜色に散っていく