あらすじ
「君といても、刺激がないんだよね」——三年間尽くした婚約者に、あっさりと捨てられた。
柊木凛、職業はオルゴール修理師。祖父から受け継いだ小さな工房『音箱堂』で、壊れたオルゴールの声を聴きながら静かに暮らしている。地味で口下手。恋愛偏差値は絶望的。でも、オルゴール修理の腕だけは誰にも負けない。
そんな彼女の工房に、雨の夜、一人の男が現れた。高級スーツに身を包んだ、明らかに場違いな存在。「氷の御曹司」と呼ばれる大企業の跡取り・神崎蒼真。
彼が差し出したのは、100年以上前のアンティークオルゴール。国内の専門家全員が「修復不可能」と匙を投げた、神崎家に代々伝わる『運命のオルゴール』だった。
「金はいくらでも出す」
その冷たい瞳の奥に、凛は気づいてしまう。このオルゴールに込められた、誰かの切実な想いを——。
壊れたオルゴールを直すことはできても、自分の恋心は全く修理できない不器用な職人と、氷の仮面の下に優しさを隠した御曹司。
オルゴールが紡ぐ旋律が、二人の運命を静かに結んでいく——。
※地味系職人ヒロイン×不器用な溺愛御曹司のじれじれラブストーリー