あらすじ
ある朝、行商人の一団で生活する少年アイクは父親との衝突をきっかけに、拠点を飛び出し独りで森を彷徨う。自分の感情と向き合うことができずにいた彼は、気づくと「アキレ森」と呼ばれる不思議な森に迷い込んでいた。
その森は暖色のみに支配されているようで、アイクは笑顔を強いる女性"フフ夫人"と出会う。
森を出たいと言うアイクに対して、彼女は頑なに森に居続けるよう言う。だがその直後、二人は違和感を感じ焦り始める。
混乱の中、遠くからバチバチと音が聞こえた。森が燃え始めたのだった。火は一本の木の葉先から発生し、隣へ隣へと燃え移っていく。フフ夫人は、"リー夫人"という女性が森を破壊しにきたのだと告げた。
次にアイクが出会ったのは"ジョー男爵"。彼は火を前にしても楽観的に振る舞い、全てを笑い飛ばすような男だった。森を守ろうとするフフ夫人、壊そうとするリー夫人、全てに関わろうとしないジョー男爵。三つの価値観が衝突し、炎はさらに激しさを増す。そんな中でアイクは、逃げることを提案するジョー男爵を振り払ってリー夫人と話をすることを決意する。フフ夫人に呼び止められながらも炎の中へ足を進めるアイクはあることに気がつく。熱くない。そんなアイクにリー夫人は、奪う側である彼女も過去に奪われる側であったのだと語る。
板挟みの状況でアイクはもう一人の自分と対峙することになる。もう一人の自分はフフ夫人とリー夫人のどちらにつくのか選択を迫るも、アイクは選択することができなかった。アイクが望んだのは、もう一人の自分を含めた全員が共存する森。それをもう一人の自分に告げたとき、もう一人の自分は泣き、それぞれの理想の森はひとつに収束した。もう一人の自分に謝ったのちにフフ夫人の案内で拠点に帰ったアイクは、父のもとへ帰って自分の感情を伝えようと決意する。
対立や選択を乗り越え、自分自身との向き合い方を知る。