あらすじ
城ヶ根カイトは三十代で死んだ。
財閥の跡取り。仕事だけの人生。友人もなく、安らぎもなく、オフィスの床に倒れて、そのまま終わった。
目が覚めたら十九歳だった。男が七人に一人の世界で。そしてその世界の男たちは全員、その数字を免罪符にして生きていた。女性を物として扱い、傲慢さを個性と呼び、誰も選ばなかった比率の上に社会が積み上げられている。
カイトはそういう生き方をするつもりが一切なかった。もう疲れ果てた人生はやった。繰り返す気はない。
前世の経営知識だけを武器にゼロから積み上げ、一年で経済的自由を手に入れた。家を買い、漫画を詰め込み、気に入った喫茶店でバイトを始めた。静かで、穏やかで、ようやく自分のペースで生きられる日々。
そこへ、行き場のない紫髪の女の子が転がり込んできた。
それからなぜか、静かなはずの家が少しずつ、埋まっていく。