あらすじ

冥界で魂を回収する若き死神・No.1155は、人間の魂を扱う試験として、三日後に死を迎える少女・天音とわのもとへ向かう。病院で静かに最期を待つ彼女は、死を目前にしながらも驚くほど淡々としており、生への執着も未練も見えない。だが、魂を回収する条件は「未練を断ち切ること」。その言葉に引っかかりを覚えた死神は、とわの本心を探るため、彼女と共に外の世界へと足を踏み出す。 祭りの喧騒、夜空に咲く花火、風に揺れる蓮の花、静かに寄せては返す波の音――限られた時間の中で巡るひとつひとつの景色は、止まっていた彼女の心を少しずつほどいていく。他人の視線に傷つき、自分を押し殺して生きてきた少女と、ただ職務を果たすはずだった死神。触れ合う時間が増えるほどに、二人の間には言葉にできない想いが芽生えていく。 やがて訪れる別れの刻。生きたいと願ってしまった少女と、送り出さなければならない死神。交わされた想いは未練なのか、それとも救いだったのか。これは、迎えが来るまでのわずかな時間、確かに寄り添い合った二人の、静かであたたかな別れの物語。

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カクヨム
カクヨム2026/04/08
  • 現在の作品迎えが来るまでそばにいた