あらすじ
公爵家の離れで病に伏せる若き主人レオンを、侍女のミリアは誰より近くで支えていた。
けれどある日、「役立たずの侍女はいらない」と家令に追い出されてしまう。
しかもその直後、レオンは高熱と呼吸困難で意識を失い、宮廷医師からも『もう助からない』と見放される。
周囲が祈りと魔法にすがるなか、ミリアだけは気づいていた。これは呪いでも不治の病でもない。放っておけば死ぬが、正しく手当てすればまだ助かる状態だと。
なぜならミリアには、前世で多くの命を救ってきた女医としての記憶があったから。
身分の低い追い出された侍女が、観察眼と医療知識だけを武器に、誰にも救えないはずの主人を救っていく。
これは、見捨てられた侍女が命を救ったことで、立場も運命も静かにひっくり返していく物語。