あらすじ
王宮の地下工房で3年間、伯爵令嬢リーネは宮廷宝飾品の銘入れを担ってきました。
けれどその功績はすべて婚約者エーリヒに握り潰され、「侯爵家の抱え職人の作品」として奪われていました。
婚約破棄された翌日、リーネのもとに届いたのは、宰相府からの鑑定依頼。
持ち込まれる宝飾品を調べるたび、出てくるのは自分にしか刻めない右に0.2度傾く銘ばかり。
しかも、その銘は何者かによって一つひとつ丁寧に守られていて――
名前を消され、手柄を奪われ、それでも仕事だけは裏切らなかった彫金師令嬢。
彼女の3年分の仕事は、やがて婚約者の偽装を暴き、宮廷の制度すら動かしていく。
そして冷徹と噂される宰相閣下だけが、最初からその銘の価値を知っていた。
これは、自分の名前を奪われた令嬢が、消されなかった0.2度の癖によって正当に報われる物語。
もちろん、最後はハッピーエンドです。