あらすじ
王族なら誰もが神から“加護”を授かるこの国で、ただ一人だけ何の加護も得られなかった第七王女リシェル。
無能と蔑まれ、王城の隅にある古びた離宮へ追いやられてしまう。
けれど彼女は、まるで気にしていなかった。
なぜなら前世の彼女は、休みなし、残業まみれ、人間関係は最悪の“限界社畜”だったから。
静かで、呼び出しも少なくて、無茶な命令も飛んでこない離宮暮らしは、むしろ天国のような環境だったのだ。
「えっ、朝から晩まで怒鳴られないんですか?」
「この部屋、私だけで使っていいんですか?」
「睡眠時間がちゃんと取れるって最高では?」
そうしてマイペースに離宮生活を改善していくうち、前世仕込みの事務処理能力、段取り力、節約感覚、職場改善スキルが次々と周囲の役に立ちはじめる。
加護がないはずの王女が、なぜか一番暮らしを立て直していく。
やがて離宮の使用人たちや王城の人間たちは、首をかしげ始める。
――加護なしのはずなのに、どうしてあの方の周りだけ、こんなにも上手く回るのだろう?
これは、冷遇された第七王女が、前世社畜の経験を武器に“無理せず快適に”生きていたら、いつの間にか静かに再評価されていく物語。